DROPS OF TERROIR -プロローグ
長年、理想の一本を形にすることを夢見てきました。 私たちの味覚と感性、そして語りたい物語を映し出すワイン。 深みと複雑さ、そして愛してやまない繊細なニュアンスを秘めたその一本を、皆さまと分かち合いたいと願ってきました。 やがて出会ったのが、標高約600メートルの冷涼な気候に抱かれた、家族経営のサフラン・ヴィンヤード。 その名を知った瞬間から、ここでなら夢見てきたワインが生まれる、そう直感しました。 実際にワインを口にしたとき、一粒一粒の葡萄に注がれた情熱と、惜しみなく注がれた手仕事を強く感じたのです。 ここは、単なるナパ・ヴァレーの畑ではありません。 土地の記憶と物語が息づく場所であり、それは私たち自身のワイン哲学と、静かに、美しく共鳴していました。
樹林伸・樹林ゆう子 別名 亜樹直
ワイン専門家 ワイン愛好家「神の雫」著者
DROPS of TERROIR / 神の雫
長く温めてきた夢が形になったこのワインは、グラス一杯ごとに物語を語ります。
ナパ・ヴァレーのマウント・ヴィーダー地区の高地に位置する、有機栽培のサフラン・ヴィンヤードから生まれ、その力強いテロワールと繊細なニュアンスは、人生の旅路そのものを映し出します。
カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、カベルネ・フランを用いて、深みとエレガンス、そして物語性を備えた一本をつくり上げました。一口ごとに新しい章が立ち上がるような体験をお楽しみいただけます。
ナパワインという枠を超え、私たちの世界観そのものをボトルに閉じ込めた一本です。どうぞ、その物語を味わってください。
樹林伸・樹林ゆう子
フランスのテレビ局の取材班がこの1か月、日本で著者たちへのインタビューを行っていました。日本でのワイン売上が、「神の雫」の影響で20%以上伸びている、という内容の特集を作るためです、と版元グレナのステファン・フェラン氏は語ります。
ちょうど『ジャパンタイムズ』紙が共著者である姉弟、樹林伸氏と樹林ゆう子氏(別名 亜樹直として原作を共同執筆)へのインタビューにやって来たとき、テレビクルーは機材を片づけているところでした。
ジャパンタイムズ
『神の雫』は、この10年にわたり、世界中のワイン愛好家から伝説的な存在として語り継がれてきました。
Forbes
なぜテロワールなのか?
Drops of Terroir という名を選んだのは、テロワールこそ決して嘘をつかない言葉だからです。テロワールには、陽と陰、石と雨、土中で静かに耐える根の時間も、収穫のときにこぼれる笑い声も、すべてが宿っています。それは、誰も語らなくても、大地が物語っているストーリーなのです。
私たちはその物語をねじ曲げようとはしません。ただ、あらゆる角度から耳を傾けようとします。畑の区画ごと、列ごと、ヴィンテージごとに、同じ土地から生まれる別々の声があり、それぞれが土と風と時間で綴られた新しい一章です。その多彩な声から、一つのテロワールのさまざまな表情が生まれ、マンガのコマが連なって一つの深い真実を浮かび上がらせるように、全体でひとつの物語が立ち上がります。
これが私たちの志です。多くの顔を見せてくれる畑に支えられ、その表情をグラスの中に描き出す造り手や醸造家たちとともに。そして何より、「テロワール」という言葉に込められた思いとともに──この土地が語りうるすべてを受け止められる名前は、ほかになかったからです。

